夏になると、テレビやニュースで必ず話題になるのが「甲子園」です。
我が家でも夕方のニュースを見ていると、連日のように高校球児たちの汗と涙のドラマが映し出されています。
長女ちゃんも
「わぁー!いっぱい走ってる!」
とテレビの中の選手たちを指差して、まるでヒーローを見つけたみたいな顔をします。
次女ちゃんは、拍手の音に驚いて目をまんまるにし、ぱちぱちと手を動かして応援しているようでした。
でもふと疑問に思うのです。
「どうして夏の全国大会って、野球だけがこんなに盛り上がるんだろう?」
と。
インターハイという大きな舞台
実は夏休みの時期、高校生の全国大会は「インターハイ」と呼ばれ、さまざまな競技で行われています。
サッカー、バスケットボール、バドミントン、水泳、体操、柔道…その数はなんと30を超えるそうです。
おとーちゃんは昔サッカーをしていたので、サッカーの全国大会にも熱い想いを持っています。
けれど、テレビで取り上げられるのはごくわずか。
新聞の片隅に小さく結果が載っている程度で、ニュースのトップに躍り出ることはまずありません。
「もっといろんなスポーツが取り上げられてもいいのになぁ」
と、テレビを見ながらつぶやくと、長女ちゃんが
「サッカーもみたい!」
と元気に賛同してくれました。
甲子園が特別扱いされる理由
なぜ野球だけが注目を集めるのでしょうか。
一つは歴史の長さ。
甲子園大会は1915年から続いており、すでに100年以上の伝統があります。
さらに夏の暑さと球児たちの全力プレーが、日本人の「青春」の象徴として語られるようになりました。
その背景には、戦争や高度経済成長の時代をくぐり抜けてきた「日本の昭和文化」が強く影を落としているように思います。
一糸乱れぬ整列や、丸刈りの姿。
勝っても負けても涙を流し、土を持ち帰る姿。
それは美しい一面であると同時に、どこか軍隊的で、古い日本の価値観を今に残しているようにも見えます。
子どもたちの未来のために
今の社会は「多様性」を大事にしようとしています。
だったら、スポーツの世界でももっと多様な選択肢を示してあげることが大切なのではないでしょうか。
もしサッカーや体操、バレーボールや新体操など、さまざまな全国大会がテレビで放送されれば、もっと多くの子どもたちが自分の夢を見つけられるはずです。
長女ちゃんがサッカー選手に憧れてもいいし、バドミントンの選手に憧れてもいい。
次女ちゃんだって、どんなスポーツに心をときめかせるか分かりません。
「野球だけじゃない、みんなの舞台があるんだよ」
そんな風に伝えられる世の中になったら素敵だなと、おとーちゃんは願っています。
家族で感じた小さな気づき
ニュースの中で甲子園ばかりが流れるたびに、我が家の小さなリビングで議論が巻き起こります。
「なんでサッカーは出ないの?」
「バレーも見たい」
そんな長女ちゃんの素直な言葉に、はっとさせられることが多いです。
子どもたちの未来を広げるのは、大人たちの選択や価値観かもしれません。
だからこそ、甲子園だけでなく、さまざまなスポーツを一緒に応援できる夏が来たらいいなと心から思います。
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