夏が半分くらい過ぎると、スーパーの入り口にきゅうりやナス、そして小さな提灯が並びます。
それを見ると、
「ああ、もうすぐお盆なんだな」
と思うのですが……
正直に言うと、おとーちゃんはお盆のことをちゃんと説明できません。
「ご先祖さまが帰ってくる」とは聞いたことがあります。
でも、それって本当なのか、どういう意味なのか、きちんと知らないまま大人になってしまいました。
そんなおとーちゃんに、先日長女ちゃんがこう聞いてきたのです。
長女ちゃんの質問にあたふた
夕食後、テレビでお墓参りの映像を見た長女ちゃんが、ぽつんと尋ねました。
「お盆ってなあに?」
その瞬間、頭の中が真っ白になったおとーちゃん。
「あー、その…仏様が帰ってくる…日?」
と、なんとも頼りない答えしか出ません。
おかーちゃんが横から、
「ご先祖さまを迎えてお参りする日なんだよ」
とフォローしてくれました。
長女ちゃんはうなずきながらも、
「ふーん…でも、なんで?」
と首をかしげています。
この「なんで?」に答えられないのが、親としてちょっと情けないなぁと思いました。
調べてみたけれど…
せっかくなので、お盆について少し調べてみました。
どうやら仏教の教えが元になっていて、ご先祖さまを供養する行事らしいのです。
昔の人たちは、亡くなった方の魂がこの時期に帰ってくると信じて、迎え火や送り火を焚いて道案内をしたのだとか。
なるほど。
理由は分かりました。
でも、いざ子どもに説明するとなると、「魂」とか「供養」といった言葉は難しすぎます。
長女ちゃんにはまだピンとこないだろうし、次女ちゃんはもちろん、はいはいでテーブルの下に突撃中。
こういう文化のことって、何歳くらいから、どうやって伝えればいいのでしょうね。
伝えた方がいいのか、悩む
ふと、
「そもそも伝えた方がいいのかな?」
と思う自分がいました。
昔の習慣や行事は、生活の中で自然に覚えるものだと思っていましたが、現代ではそう簡単でもありません。
もし伝えなければ、長女ちゃんも次女ちゃんも、大人になるころには
「お盆? なんだっけ?」
となるかもしれません。
でも、だからといって「絶対に覚えなさい」と押しつけるのも違う気がします。
結局のところ、「なぜ大事なのか」を自分がちゃんと理解していないと、子どもにも響かないんですよね。
お盆がなくなる未来も?
最近は、お盆休みがあっても実家に帰らず旅行に行く家庭も増えているそうです。
都市部ではお墓参りの習慣が薄れ、迎え火や送り火を見たことがない人も珍しくありません。
もしこのまま続けば、お盆という行事が形だけになって、やがてなくなってしまう未来もあるのかもしれません。
そうなると、ご先祖さまを想うということ自体、なくなっていきそうですね…。
我が家なりのお盆
今年のお盆は、とりあえずお墓参りに行く予定です。
長女ちゃんには「会いに行く」という感覚で、次女ちゃんにはお花の色やお線香の匂いで、この日を感じてもらおうと思います。
きっとまだ意味は分からないでしょう。
でも、家族で過ごした時間や、少し特別な空気だけは覚えていてほしいのです。
もしかしたら、それが何よりの“伝える”ことなのかもしれません。
次女ちゃんは、お墓の前で
「ばぁ!」
と笑うかもしれません。
長女ちゃんは、小さな手で真剣に手を合わせるでしょう。
それだけで、おとーちゃんは十分満足です。
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