我が家は、森に包まれたようなログハウスなんです。
庭には小川こそありませんが、草むらと土の香りがあふれ、虫も鳥も、時には蛇までやってくる自然豊かな場所です。
そして、この夏の主役のひとつが――カエルたち。
今年の夏は、とにかく暑い日が続きます。
昼下がりには、蝉の声が空気を震わせ、庭の地面はカラカラに乾きかけます。
そんな中、庭の木陰には、緑色の小さな住人たちが集まってきます。
彼らにとって、ここはまるで避暑地のようです。
夏の日陰の小さな楽園
庭の一角、ログハウスの影が落ちる場所があります。
そこには、笹のような細長い葉や、クローバーに似た小さな葉っぱが生えていて、ちょうどカエルが身を隠すのにぴったりの空間です。
「おとーちゃん、ぴょんすけ(カエルのこと)、また来てるよ!」
長女ちゃんが、しゃがみ込みながら小声で教えてくれます。
よく見ると、薄緑のアマガエルが2匹、葉っぱの上に座っていました。
その姿は、まるで「ふぅ、今日も暑かったなぁ」と言っているよう。
カエルたちは驚く様子もなく、ただじっと彼女を見ていました。
まるで「小さなお客さん、こんにちは」と言っているみたいです。
カエルと暮らす庭の時間
我が家の庭は、ただの飾りのスペースではありません。
カエルにとっては日陰の休憩所、虫たちにとっては遊び場、鳥たちにとっては食事処。
そして、人間にとっては、四季の変化や命の営みを間近で感じられる学びの場です。
おかーちゃんは、庭で洗濯物を干しながら言います。
「こういう環境、子どもたちの心にもきっと残るよね」
たしかに、自然の中で暮らすと、虫やカエルを怖がるよりも、まず「観察したい」「知りたい」という気持ちが育まれるように感じます。
長女ちゃんは保育園で、
「うちの庭にカエルがいるんだよ」
と自慢しているそうです。
友達から「えー!こわくないの?」と聞かれても、
「かわいいよ」
と笑顔で答える姿を聞くと、なんだか嬉しくなります。
夏の避暑地が教えてくれること
カエルたちは、庭の中でも日陰と湿気を求めて移動します。
小さな体で、生きるために最適な場所をちゃんと知っているのです。
これは、人間にも通じる知恵だなぁと感じます。
無理に暑い場所で頑張らず、涼しい場所でひと休みすること。
そして、自然と共に生きるために、自分に合った環境を見つけること。
次女ちゃんは、庭の木陰で涼しい風を感じると、目を細めてにっこり笑います。
その笑顔を見ていると、「生きものはみんな、快適な場所をちゃんと見つけるんだな」と改めて思います。
木陰がくれる小さな奇跡
夕方、日差しがやわらいできたころ、庭のカエルたちはまたどこかへ出かけていきます。
昼間はじっと休んでいた彼らも、涼しくなると活動を始めるのです。
その姿を見送ると、我が家の庭は少し静かになります。
でも翌日には、またきっと日陰の避暑地に帰ってくるでしょう。
この繰り返しが、夏の我が家の風物詩です。
カエルたちが教えてくれる、自然のリズムと生きる知恵。
そんな時間を、これからも家族で大切にしていきたいと思います。
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