最近、ふと鏡の前で自分の姿を見たとき、背中が丸まっていることに気づきました。
「おとーちゃん、また猫背になってるよ」
と、おかーちゃんに指摘されるたびに、
「あ、そうだった」
と背筋を伸ばすものの、気づけばまた元通り。
肩こりもひどく、パソコン作業の後は首の後ろがズーンと重くなる日々です。
そんな中で手に取ったのが、『ねこ背病 放置する人から老いていく』(園部俊晴 著)。
タイトルからして、まるで私の未来を予言しているかのような一冊でした。
現代人はほとんど猫背?
この本によると、現代人の多くは猫背の予備軍、もしくはすでに猫背だそうです。
スマホ、パソコン、長時間のデスクワーク…。
便利な生活と引き換えに、私たちは背中を丸める時間をどんどん増やしています。
思い返せば、長女ちゃんもタブレットで動画を見るとき、つい前かがみになりがち。
「背筋ピンしてね」
と声をかけても、いつの間にかまた顔が画面に近づいています。
次女ちゃんも、はいはいをしている姿は元気いっぱいですが、その背中の丸みを見て
「これは成長過程だから大丈夫…だよね?」
と、つい心配になってしまうのです。
著者・園部俊晴さんの専門性
著者の園部俊晴さんは、理学療法士として長年にわたり臨床現場で多くの患者さんと向き合ってきた方です。
特に運動器疾患や慢性痛の改善を専門とし、病院勤務の傍ら講演や執筆活動も精力的に行っています。
テレビや雑誌でも紹介されることが多く、その解説はわかりやすく実践的と評判です。
園部さんの考え方の特徴は、「痛みや姿勢の問題を、単なる部分的な症状ではなく、体全体のつながりとして見る」こと。
だからこそ、この『ねこ背病』でも、単に背筋を伸ばすだけではない、根本的な改善アプローチが紹介されているのです。
猫背を放置するとどうなるのか
『ねこ背病』では、猫背が単なる見た目の問題ではないと強調されています。
姿勢の崩れは、肩こりや腰痛だけでなく、呼吸の浅さ、内臓機能の低下、さらには精神面にも影響を与えるといいます。
特に印象的だったのは、「猫背は老化を早める」という指摘。
著者によれば、背中が丸まると体のバランスが崩れ、足腰への負担が増えます。
結果、転びやすくなったり、活動量が減ったりして、体力低下が加速するのです。
お年寄りだけでなく、まだ子育て真っ最中の世代にも無関係ではありません。
今の生活習慣が、そのまま未来の自分の健康を決める…。
そう考えると、正直ちょっと焦ります。
実践できる猫背改善のヒント
本書には、猫背を改善するための具体的なエクササイズや、日常での姿勢の意識ポイントが分かりやすくまとめられています。
難しい器具も、ジム通いも不要。
「気づいたときに背中を反らす」「椅子に浅く座って骨盤を立てる」など、すぐにできる工夫がたくさん紹介されていました。
試しに、おかーちゃんと一緒にテレビを見ながら背伸び運動をしてみると、
長女ちゃんも
「わたしもやるー!」
と参戦。
次女ちゃんはキャッキャと笑いながら、その場で両手をバタバタ。
家族でやると、姿勢改善もなんだか楽しい時間になります。
将来の自分への投資として
この本を読み終えて強く感じたのは、猫背対策は「今」やってこそ意味があるということです。
将来、子どもたちと一緒に走り回れる元気な体でいたい。
「おとーちゃん、速い!」
と笑ってくれるその日まで、姿勢は大事にしていきたいと思います。
猫背は癖ではなく、生活習慣の積み重ね。
それなら、悪い積み重ねを今日から断ち切ればいい。
『ねこ背病』は、その一歩を踏み出すきっかけをくれる本でした。
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