「おとーちゃん、疲れた……」
遊び疲れてソファにぺたんと座り込む長女ちゃんを見て、
「あぁ、いっぱいはしゃいだもんな。」
と、優しく頭を撫でました。
そんな我が家の日常で、ふと頭をよぎったのが「乳酸って、疲れの原因なんでしょ?」という昔からの常識。
でも最近、どうやらその“常識”がちょっと違っていたらしいのです。
乳酸=悪者?百年の誤解
「激しい運動をすると筋肉に乳酸が溜まって、それが疲労の原因になる」。
おとーちゃんが学生時代に習ったのも、そんな内容でした。
この考え方のルーツは、実に100年以上前にさかのぼります。
ドイツの生理学者が筋肉の酸性化を乳酸のせいだと考えたところから始まり、20世紀には「乳酸=疲労物質」という理解が定着しました。
でもこの説、実は途中から色々と「ん?」という発見が増えていたのです。
乳酸は血液を通じて全身に運ばれ、心臓や脳などの大切な器官ではむしろ“好まれる”エネルギー源でもあったりするんですって。
これ、ちょっと見方を変えると、「乳酸って、悪者じゃないかも?」という話になってきます。
乳酸革命が教えてくれたこと
1970年代、アメリカの研究者たちが「乳酸は常に作られていて、実はエネルギーとして使われている」と発表。
この「乳酸革命」は、スポーツ科学や医学の世界で大きな話題となりました。
速筋(瞬発的な動きを担う筋肉)で作られた乳酸は、血流に乗って心臓や遅筋(持久力のある筋肉)に運ばれ、再びエネルギーに変わる。
これを「乳酸シャトル」と呼び、まるで家族内でのおやつのシェアのように、乳酸が上手にリサイクルされているんです。
それに加え、乳酸は肝臓で糖に戻されて血糖を保ったり、細胞内のバランスを整えたり、さらにはホルモンのように身体の変化をうながす役割まであるとか。
乳酸ってお利口さんなんです。
おかーちゃんもびっくりした様子。
育児と乳酸の意外なつながり
育児の毎日って、ある意味マラソンのようなもの。
夜泣き対応に始まり、ごはんの支度、送り迎え、寝かしつけ……。
おとーちゃんもおかーちゃんも、
「疲れたーーー」
と思う日が多いけれど、その疲れの正体は決して乳酸だけじゃないようです。
むしろ、乳酸はそんなときこそ体を支える“裏方さん”。
乳酸は、身体が頑張った証であり、エネルギー再生のために働いてくれる存在。
まるで、家族を支えるおかーちゃんのようなものかもしれません。
そう思うと、「疲れ」そのものも、少しだけ優しく受け入れられる気がしてきます。
疲れとの付き合い方を見直す
現代の科学では、「乳酸は疲労物質ではない」という考え方が一般的になってきています。
乳酸は、身体の適応反応を引き出し、回復を助ける“チカラの素”。
私たち育児家庭も、日々の疲れを「ダメなもの」として遠ざけるのではなく、「頑張った証」として受け止め、体をいたわるきっかけにしていけたら素敵です。
そして長女ちゃんや次女ちゃんが運動で疲れて帰ってきたとき、
「乳酸がんばったね」
と声をかけてあげられるようなおとーちゃんでありたいと思います。笑
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