はじめに
子育てをしていると、思いがけない出来事が日々の中にぽつんと顔を出します。
このあいだの我が家も、そんな一日でした。
主役は、いつもニコニコ元気いっぱいの0歳の次女ちゃん。
そして、そのそばで静かに気持ちを抱えていた4歳の長女ちゃん。
どちらも大切な我が子。
そんな二人を前にして、親として何を感じ、どう向き合ったか。
今日はその記録を、ちょっとだけ綴ってみたいと思います。
次女ちゃん、初めての高熱
それは、まさかの休日でした。
朝からどこかぼんやりしていた次女ちゃん。
「なんか、あっついな……」
とおとーちゃんが手を当てたら、びっくり。
おでこが、熱い。いや、熱すぎる。
おかーちゃんが体温計を取りに走って、測ってみたら、なんと39.7度。
「ひゃあ〜……これは、ちょっと病院行こうか」
おかーちゃんと2人して、慌てました。
これまで風邪らしい風邪もなかった次女ちゃんにとって、初めての発熱。
眠そうな目をこすりながら、うとうとしつつも、時おり苦しそうに体をよじる姿は、見るだけで胸が締めつけられます。
「大丈夫だよ」
「そばにいるからね」
そう声をかけながら、夫婦2人、つきっきりで看病しました。
幸い、おとーちゃんが休日だったことが何よりの救い。
「仕事じゃなくてよかった……」
と心から思いました。
長女ちゃんの「わたしも見て」の気持ち
その間、長女ちゃんはといえば、少し離れたところで、お気に入りのぬいぐるみと遊んでいました。
けれど、おとーちゃんの目にはすぐ分かりました。
その視線の向こうに、「わたしも見てほしい」があること。
「ねえ、おとーちゃん、見てー!これ作ったよ!」
元気いっぱいの声とは裏腹に、どこか寂しげな表情。
おとーちゃんもおかーちゃんも、心配のあまり次女ちゃんに気を取られっぱなし。
「今は、仕方ないよな……」
と心の中でつぶやきながらも、そのたびにちょっとだけ胸が痛みます。
もちろん、長女ちゃんも分かっているのです。
「次女ちゃんが大変なときだから」
と。
でも、子どもにとっての「我慢」は、大人が思っている以上に大きな力を必要とするもの。
我慢して、気を使って、それでも笑っていてくれる長女ちゃんの姿に、改めて成長を感じた一方で、
「これはちゃんと向き合わなきゃ」
とも思いました。
2人とも、等しく大切に
次女ちゃんの熱も少し落ち着き、やっと我が家にほっとした空気が戻った夕方。
おかーちゃんが次女ちゃんを寝かしつけたあと、長女ちゃんと三人でソファに並びました。
「今日はありがとうね。我慢してくれて偉かったね」
そう言ったとき、長女ちゃんがふっと笑ったのです。
「だって、次女ちゃん、大変そうだったもん」
でもその笑顔の奥に、「やっと見てもらえた」の安心がありました。
子育ては、常にバランスとの戦いです。
どちらかが体調を崩せば、どうしてももう一方への時間は削られてしまう。
でも、どちらかだけを大切にしているわけじゃない。
どちらも、等しく大事な我が子。
だからこそ、おとーちゃんもおかーちゃんも、2人そろって初めて、どちらにも目を向けてあげられるのだと、改めて気づかされました。
長女ちゃんの存在。
それは、気を使いながらもそっと寄り添ってくれる、家族の心の支えです。
おわりに
子育ては、うれしいことも、心配なことも、いつだって予想外。
でも、だからこそ、毎日がかけがえのないものに感じられるのかもしれません。
次女ちゃんの発熱という小さな事件は、我が家にとって、家族の大切さと、子どもたちの優しさを改めて見つめ直す機会となりました。
これからも、何があっても「2人とも、等しく大切」。
おとーちゃんは、そうやって家族と歩んでいきたいと思います。