おとーちゃん、朝のニュースを見ながら深いため息をついた。
「また減ったのか……」
2024年、日本の出生数が史上最少を更新したという報道。
年間686,061人。 我が家の次女ちゃんもその一人として生まれた大切な命だけれど、それでもこの数の少なさには胸が締めつけられる。
「これ、静かな非常事態って政府が言ってたよ」
と、おかーちゃんがポツリ。
たしかに、耳を澄ますと、子どもたちの声が響く公園も、どこか以前より静かになった気がする。
データで見る現実の厳しさ
2024年の出生数は前年より5.7%減少し、合計特殊出生率は1.15まで下がった。
長女ちゃんは現在4歳。
保育園のクラスでも年々子どもの数が減っていて、今年の新入園児は例年の半分ほどだったと先生が話していた。
都市部でさえこうなのだから、地方の現状はさらに深刻だろう。
結婚も出産も「贅沢」になりつつある。
生活、仕事、保育のバランスをとるのが、正直言って本当にしんどい。
それでも、誰かの優しさが心を救う
そんな重たい気持ちでスマホを眺めていたら、目に飛び込んできたのは、ちょっと涙腺にくるニュースだった。
レストランで食事中の新米ママさんが、赤ちゃんを抱いたままお皿を持てず困っていたところ、店員さんがそっと「抱っこしましょうか?」と声をかけてくれたという話。
TikTokで話題になって、たくさんの共感コメントが寄せられていた。
「これぞ日本のおもてなしだ」
「赤ちゃん連れには神対応」
そんな声が並んでいたけど、おとーちゃんは思った。
これは“もてなし”というより、“ひとりの親としての支え”じゃないか、と。
育児の現場は、いつだって予想外の連続だ。
ごはんを食べたい。
でも泣いている。
オムツを替えたい。
でも手がふさがってる。
そんな時、見知らぬ誰かの「大丈夫ですか?」の一言が、どれほど心を軽くするか。
我が家のちいさな希望たち
次女ちゃんは今、0歳10か月。
つたい歩きが板についてきて、あっちへヨチヨチ、こっちへヨチヨチ。
笑うと、ほっぺがぽよんと動く。
長女ちゃんは、
「ねえ、おとーちゃん、次女ちゃんが笑ってる!」
と喜んで報告してくれる。
その声に、おとーちゃんの心もふわりと浮く。
ニュースで知る現実は重たい。
でも、目の前にある命は、こんなにも軽やかであたたかい。
「少子化」は国家の問題かもしれない。
だけど、おとーちゃんにとっては、この子たちの未来の問題だ。
だから、できることをやろうと思う。 優しさを渡す側でありたいと思う。
未来をつくるのは、日々の一言かもしれない
「大丈夫?」
の一言。
「手伝おうか?」
のしぐさ。
それだけで救われる親がいる。
それだけで笑える子どもがいる。
我が家の育児も、毎日が戦いだ。
でも、ふと手を差し伸べられると、また踏ん張れる。
政策は時間がかかる。
けれど、隣にいる誰かのやさしさは、今この瞬間にも届けられる。
おとーちゃん、今日も誰かの味方でいようと思う。
そして願う。 この国が、子どもたちにとってやさしい場所でありますように。
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