先日、おとーちゃんは一冊の本に出会いました。
マイケル・サンデルさんの『これからの「正義」の話をしよう』という本です。
哲学や倫理学をわかりやすく解きほぐしながら、「正義とはなにか」「人はどう生きるべきか」という根源的な問いを投げかけてくれる一冊でした。
我が家で過ごす日常は、ぱっと見はささやかで平和です。
でも、子どもたちを育てるというのは、日々「正しさ」を選び取ることの連続でもあります。
この本を通じて感じたことを、おとーちゃんなりに噛みしめてみたいと思います。
正義と選択の連続としての子育て
サンデルさんの本には、功利主義や自由至上主義、共同体主義といった考え方が出てきます。
難しそうに聞こえますが、要は「誰のために、どんな選択をするのか」という話です。
我が家の中でも、長女ちゃんが
「今日は公園に行きたい!」
と言い、次女ちゃんが眠そうにぐずぐずしているとき。
おかーちゃんと
「どうする?」
と相談しながら、誰の気持ちを優先するかを決める場面があります。
そのひとつひとつが、小さな「正義」の選択なのだと気づきました。
長女ちゃんはよくこう言います。
「なんで次女ちゃんばっかり抱っこなの?」
その問いにどう答えるか。
そこにおとーちゃんの「正義観」が試されているのだと思います。
社会のルールと家庭のルール
サンデルさんの本は、社会全体の制度やルールにも目を向けさせてくれます。
おとーちゃんは医療の現場で働いていますが、限られた時間や資源のなかで患者さん一人ひとりと向き合わなければなりません。
「誰をどれだけ優先するのか」という難しい決断に、日々直面しています。
家庭もまた、小さな社会です。
「お菓子はひとり何個まで」
「テレビはご飯のあと」
そんなルールをどう決め、どう守るか。
正義という大きなテーマは、そんな小さな約束ごとの中にも息づいているのだと実感しました。
幸せの基準をどう育むか
サンデルさんは、「幸せは単なる数や効率で測れない」と語ります。
我が家でも、長女ちゃんと次女ちゃんの笑顔があれば、それだけで心が満たされます。
でも同時に、二人が「自分なりの正しさ」を持って生きられるように育てたいとも思います。
次女ちゃんは、まだ言葉にならない気持ちを泣き声や手足の動きで一生懸命伝えてくれます。
その小さな声をどう受けとめるかが、親としての「正義」を形づくっている気がします。
子どもたちにとって、幸せや正義の基準をどう伝えるか。
これは一生をかけて向き合うテーマなのかもしれません。
本から日常へ、そして未来へ
『これからの「正義」の話をしよう』は、一見すると遠い世界の哲学書のようですが、我が家に引き寄せて考えると、とても身近な本でした。
「正しさ」とは一つではなく、状況や人によって変わる。
でも、大切なのはその過程を家族や社会と共有しながら考え続けることだと感じました。
おとーちゃん自身、子育てや仕事で迷ったときに、この本の問いを思い出してみようと思います。
「この選択は誰のためになるのか」
「本当に大切にしたい価値はなんなのか」
その問いが、これからの我が家を照らす道しるべになってくれる気がします。
おとーちゃん、この本を長女ちゃんがもう少し大きくなったときに、オススメしてみたいなぁと思いました。
哲学の難しい言葉はまだわからなくても、
「どうするのがいいのかな?」
と一緒に考えることから始めたいのです。