夏の投票日、我が家の会話から始まった
「おとーちゃん、選挙ってなに?」
投票日当日の朝、朝食のパンをかじりながら、長女ちゃんがふと聞いてきました。
「うーん、国の偉い人を決める人を選ぶ日、かな?」
そんな風に答えると、長女ちゃんは、
「おとーちゃんは今日、選挙に行くの?」
と目を輝かせます。
もちろん行くとも。
我が家の未来に関わることだもの。
この夏に行われた2025年の参議院選挙。
日々の育児や仕事に追われる中でも、ちょっと立ち止まって考えたい。
「選挙ってなんだろう」
「私たち子育て世帯に関係あるの?」
そんな素朴な疑問に向き合いながら、我が家なりの振り返りをしてみたいと思います。
参議院選挙っていつ、どうしてやるの?
まず、参議院というのは国会の「上の院」で、もう一つの「下の院」は衆議院。
衆議院が解散を伴うのに対して、参議院は6年の任期があり、3年ごとに半分ずつが入れ替わる「半数改選制」が特徴。
今回の選挙は2025年7月20日に実施されました。
全国の有権者は、以下の2つの票を持って投票します。
- 選挙区投票
:地域ごとに立候補者がいて、名前を書いて投票。多く得票した候補者が当選。 - 比例代表投票
:政党や個人名を書いて投票し、政党の得票数に応じて議席が配分される。
この2票制は、「地元の声」と「全国の民意」の両方を国会に届ける仕組みになっています。
ちなみに、選挙権は満18歳以上。
我が家の長女ちゃんが成人するまで、あと10年ちょっとですね。
子育て家庭として、どこに注目したらいいの?
「うちの暮らしに関係あるの?」とよく聞かれますが、じつは大ありです。
たとえば今回の選挙で各政党が掲げていた主な政策には、こんなものがありました。
- 教育費の無償化・軽減
- 待機児童ゼロ・保育士待遇の改善
- 出産・育児手当の拡充
- 児童手当の所得制限撤廃
- 医療費助成の拡大
- 子育て支援住宅・公営住宅の充実
こうした政策は、私たちの日々の家計や生活に直結します。
それだけでなく、少子化や労働力不足といった日本全体の未来にも関わるテーマです。
選挙で候補者や政党が何を主張しているかを見ることは、「我が家の暮らし方針に合っているか」を選ぶことでもあるのです。
投票に行く人、どのくらいいるの?
2025年の参議院選挙の全国投票率は58.51%と、前回(2022年)より6ポイント以上上がりました。
特に、若年層の投票意欲が高まってきており、SNSやYouTubeを活用した情報発信も功を奏したようです。
ただし、20代・30代の投票率はまだまだ50%を切る地域も多く、育児世代の声が十分に届いているとは言い難い状況です。
投票所で若い家族連れを見かけると、
「あ、仲間だ」
と嬉しくなります。
「私ひとりの一票じゃ何も変わらない」と思いがちですが、「誰かが決めたこと」に従うより、「自分で意思表示をした」という感覚を持つことが、我が家の未来に責任を持つ第一歩なのかなと思うのです。
そして選挙結果はどうだったの?
今回の選挙では、与党(自民・公明)は議席を大きく減らしました。
自民党は101議席(前回より−13)、公明党は21議席(−6)と、いずれも後退。
代わって、国民民主党、維新、参政党など中道・新興勢力が伸びを見せました。
この結果、参議院でも与党が過半数を割る「ねじれ状態」になり、政策決定には他党との合意が必要になります。
私たち子育て世帯への影響はどうでしょうか?
- 子育て支援に積極的な野党の発言力が高まり、予算審議でチェック機能が働きやすくなった。
- 教育費無償化や保育士の待遇改善など、子育てに関わる議論がより活発になりそう。
- 一方で、政権の推進力が低下し、大型の政策実現には時間がかかる可能性も。
短期的には混乱もあるかもしれませんが、長期的には「より議論が深まる国会」への一歩かもしれません。
「未来を一緒に考える」ってこういうこと
選挙の日、我が家はお昼前に家族みんなで散歩がてら投票所に行きました。
「長女ちゃんが18歳になったら、一緒に行けるね」
「そのとき、どんな感じになってるかな」
子どもたちにとって、選挙や政治はまだ少し遠い世界。
でも、おとーちゃんたちが選んだ一票が、いつか彼女たちが生きる社会を形作ると思うと、やっぱり無関心ではいられません。
政治の話って、難しくてつい避けたくなるけれど、家計のこと、働き方のこと、保育園のこと――
ぜんぶ政治とつながっているんですよね。
だから、また次の選挙も、家族で考えたい。
おかーちゃんと相談して、子どもたちと話して。
少しずつでも、未来を選び取っていきたいのです。
選挙は、暮らしの鏡。
そして、親の背中は、子の未来。
次の選挙では、もっとたくさんの家族が笑顔で投票所を訪れるような、そんな社会になりますように。
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